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2009年 12月 24日
今日はクリスマスイブですね!
スウエーデンではクリスマスといえば家族で過ごすものですが、日本ではカップルのためのものという印象です。今でこそスウエーデンでもクリスマスイブの午前中くらいまでお店は開いていますが、10年ほど前は開いているお店は殆どなく、街は閑散としていました。 今日のタイトルのNIKEとPUMAですが、これは今年のクリスマスは別々に過ごしているであろうTiger Woodsファミリーにまつわるスウエーデンからの新聞ネタです。 Tiger Woodsの妻はスウエーデン人のElin Nordegren。母親のBarbro Holmbergは前政権で移民難民担当大臣を務めていた人。またElinには双子の姉妹Josefinがいます。Elinが洋品店で働いていたとき、スウエーデン人ゴルフプレーヤーのJesper Parnevikの妻に会ったことが縁で、彼らの子守りとしてアメリカで働いていたときにTigerに出会ったのです。 ![]() 浮いた話のなかったTigerのスキャンダル。彼が車で木に突っ込む事故を起こしたとき、怒ったElin夫人がう「ウッド」でなく「アイアン」を手に車で逃走するTigerを追いかけフロントガラスを叩き割ったとも報道されています。スウエーデン人は結婚生活において「愛情」を重要視します。「愛情」がなくなったときは即ち「別離」のときでもあります。日本では珍しくもない、「仮面夫婦」や「家庭内別居」といった状況はスウエーデンでは殆どないのではないでしょうか。スウエーデンにおける専業主婦の割合は1.8%。つまり、殆どのスウエーデン人女性は経済的に自立をしています。離婚の際、慰謝料が発生することもありません。スウエーデン人にとって「愛情のない結婚」を継続する意義はないのです。そんな誇り高きスウエーデン人女性であるElinが、Tigerとの「離婚」を決断しても決して不思議ではありません。全世界が知るところとなったTigerの醜聞、この状況下で結婚生活を継続することはスウエーデン人女性にとっては屈辱的であるであろうと思います。Tigerの相手となった女性たちを見ると、そこに「精神的浮気」があったようには思えません。もし日本人女性であれば、相手がTigerのように優れた才能を持ち、社会的経済的ステータスが高いパートナーで、既に2人の子供があり(二人目は今年生まれたばかり!)、更にその浮気が「肉体的浮気」のみであれば我慢する人が多いのではないでしょうか。 最後になりましたが、タイトルである「NIKE vs PUMA」。 TigerはNIKEと契約し、コマーシャルにも多数出演してきました。スウエーデンのタブロイド誌によると、このTiger騒動のインパクトを利用しようと、NIKEのライバル社であるPUMAが、以前モデルとしての経験もあるElin夫人にコマーシャルへの出演を打診したということなのです。実現すれば面白い話ですが、、、。しかしながら、人種差別と闘ってその頂点に立った天才アスリートは「火遊び」でそのキャリアを棒に振ることになるのでしょうか。女性としてTigerの行為は決して許せませんし、いくら才能があっても彼のような人間に魅力を感じることはありませんが、奇なる「人生」に複雑な想いを禁じ得ません。 2009年 12月 21日
先日行われた学会では、自分の発表は勿論ですが、沢山の懐しい顔と再会することができました。
話に花が咲いて、折角のご馳走が、、、。 若者は皆それぞれ、「お久しぶりっす!」って感じで挨拶にきてお酌をしてくれ(このあたりが日本らしい!)、なんだかやくざの姉さんになった気分でした。また、私が新入医局員だった頃、学会の重鎮だった今は名誉教授の大先生方は未だ意気軒昂で、、。 ![]() 移住直前まで勤務していた大学病院の忘年会にも招いていただきました。 日本中、おそらくどこでも医局や病院の忘年会では若手の先生方が芸をするのではないでしょうか、、、。私もその昔、森高千里になりきって歌って踊ったこともありました、、、。 ![]() 勤務のあと、練習したそうです。 ![]() 某教授は、病棟のきれいどころとパッチリ。 ![]() 続いて、病棟の新しい看護師さんとご機嫌。10代の看護師さんも!初々しくって可愛いですねー! ![]() お決まりのビンゴゲームでは、数万円の現金を含めた何十もの景品が用意されていました。MRさんたちが神妙に並んでいるのも日本ならでは。 日本の忘年会満喫! 2009年 12月 20日
日本へ帰国する直前に、ストックホルム郊外で2泊3日で行われた前立腺癌の教育コースに出席してきました。
![]() スウエーデンではどこの病院でも、このような教育コースへの参加が奨励されている。勿論、有給であり、コースの費用も個人で支払う必要はない。 今回のコースの参加費は宿泊費、食費込みでおよそ6万円。前立腺癌の治療薬で大きなシェアを持つアストラゼネカ社がオーガナイザーであるため、費用の半分はアストラゼネカが負担しているという話で、かなり高額のコースであるらしい。スウエーデン中から前立腺癌の大家である泌尿器科医、腫瘍専門医、病理医、看護師が招かれて講師を務める。受講者は30名限定で、泌尿器科医と腫瘍専門医がその殆どである。 場所はストックホルム中心から車でおよそ40分ほどのところにあるSteningevik。風光明媚なところ。 ![]() ![]() ![]() ホテルは小さな建物の集合体であり、メインの建物には暖炉やプールバーなどを備えたラウンジ、食堂、お決まりのサウナ、室内プールなどがある。 ![]() ![]() ![]() 毎日朝8時から夜6時半まで講義があり、間にお茶の時間もある。 前立腺癌の治療は実に難しい。年齢70歳以上にもなれば、半数は前立腺癌を有しているとも言われ、全ての癌が治療が必要という訳ではない。優れた前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)が1994年に導入されて以来、前立腺癌は初期で発見されるようになってきた。同時に、治療を要しない癌に対する治療という問題も議論されている。日本での厚生労働省の研究班の報告においては、PSA検診の意義は否定され、それに対して日本泌尿器科学会が抗議のコメントを出す事態にもなった。現在前立腺癌の治療、殊に手術療法に関わっていて、手術される症例のうち多くが直腸診では正常である。つまり、PSAが上昇したことを契機に発見された癌であり、PSA以前の時代には発見できなかった癌である。その中には悪性度の強い癌も多数含まれる。しかしながら、ごく初期の小さい悪性度の低い癌であれば、スウエーデンでは積極的に待機療法を適応する。つまり、無治療で経過を観察するというものである。日本ではまずこれが適応されることはない。患者さんを納得させることが難しく、従って更に、待機療法に通じる医師も少ないからである。私のスウエーデンでの経験では、待機療法も十分に適応を考えるべき良い方法だという印象である。前立腺癌の治療には、手術療法(高齢でない場合)、放射線療法、ホルモン療法、化学療法といろいろなものがある。日本では、外照射による放射線療法以外の治療を泌尿器科医が担当するが、スウエーデンで泌尿器科医が担当するのは手術療法と放射線療法を受けていない患者さんのホルモン療法のみである。手術となる患者さんの多くは、泌尿器科専門の腫瘍医の診察も受け、双方の意見を聞くチャンスがある。また、週に一回、泌尿器科医、腫瘍医、病理医の合同カンファレンスがあり、症例についてのデイスカッションも行われている。 前置きが長くなったが、前立腺癌の治療法決定がいかに難しいかということである。無治療で経過観察も然りだが、ホルモン治療をいつ始めるか、どんな種類の薬を使うか、途中で一時休薬してみるか、手術後のPSAの動きをどのように理解するか、、、など問題点を挙げればきりがないほどである。よって、10人の泌尿器科医がいれば10通りの治療法があるといっても過言ではないくらいである。 そんな訳で、最先端の知識や技術を習得することは前立腺癌の治療に携わっているものにとって殊に重要になってくるのである。各分野のエキスパートの話は、既に承知しているものから、目からうろこというものもあり、長時間の缶詰状態も全く苦になるものではなかった。スウエーデン語の講義であることは少々辛かったが。 講義のあとには素敵な食堂で美味しい食事。 夕食は毎晩前菜2品にメインとデザート。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ランチは野菜たっぷりのビュッフェ。 ![]() ![]() この日は木曜日だったので、スウエーデンお決まりの豆スープとパンケーキ。 ![]() 受講者に移民医師が多いにもびっくりした。 ポーランド、イラク、イラン、ギリシャ、バングラデシュ、、、。移民医師には夫婦で医師という人も多かった。 あるイラクの医師はイラクで研修医をしたそうなのだが、自国のすさまじい状況を語ってくれたりもした。中でも、6ヶ月未満の病児は破棄するという話には口がきけなくなった。「次行け」ということらしい、、、。移民医師の中では最もスウエーデン新参者である私にとって、スウエーデン各地で頑張っている移民医師と話ができたことは素敵なことだった。 ここで得たことを、日々の診療で還元してゆきたいと思う。 2009年 12月 07日
日本帰国前の食べ物スナップ。
友達からもらった釣りたての魚。 ![]() うろこを落としてお腹を開けると、、、。 ![]() 美しく美味しそうな卵! 先輩女医さんカップルをお食事にお誘いしていたので、これを使って前菜を作りました。 サーモンとアボガドのタルタル。セルクル型でぬいたトーストの上に同じセルクル型でタルタルを載せてみました。白ワインが進むことといったら! ![]() ![]() 前菜2品目は日本のカボチャのポタージュ。 ![]() メインはGösのソテーと野菜たっぷりケイパー、オリーブ入りソース添え。 ![]() デザートはパンプキンプデイングとアップルケーキ、アイスクリーム添え。私の好きなコスタ・ボッダのUllaのシリーズに。 ![]() 最後にいつか作った前菜。シェーヴルチーズ、レッドビーツ、くるみの入った蜂蜜がけサラダ。 ![]() 美味しい食事と友人との楽しい会話。贅沢なひとときです。 2009年 12月 07日
今回は少し長めの日本滞在にしようと思い、病院からは有給のお休みに加え無給のお休みを頂いてきました。そして、最近の円高の影響もあって、心もとない懐事情。
背に腹は変えられないということで、早速出稼ぎに。 この日は検診センター。 ![]() 高層ビルの上層階にある、女性スタッフのみの女性専用の検診センター。富士山もきれいに見えました。 食べかけで失礼いたしますが、お弁当つき。日本だなーとしみじみ。 ![]() 受診者のことを「お客様」と呼んでくださいという指示には、かなりひきましたが、検診は自費ですから、お客様という扱いになるのかもしれませんね。 日本での検診の高い普及率は、きっとスウエーデン人が見たら驚くことでしょう。しかし、リスク群でない健常者の心電図なんて必要ないような気がします。スウエーデンで働く前はそのようなことは考えたことはありませんでしたが、、。それでもまだ保険適用ではないから構わないのかもしれません。 2009年 12月 06日
学会講演が無事に終わり、ほっとしております。
学会終了後のスナップ。 ![]() 実はこちら新宿の夜景です。 そうなのです。講演などを含めた所用で帰国中! 二つの学会では母校の教授を含め久しぶりの再会が沢山。日本語が下手になったと指摘され落ち込み気味。外国人参加の学会だったので当然英語での答弁や議論になりますが、日本人はもっと英語を頑張らないといけませんね。 大変ショックだったのは、会場になっていたホテルの中に喫煙コーナーがあったこと。ついたて一つだけなので、とてもタバコ臭くて不快。スウエーデンでは室内禁煙なので、どうしてもこの点について日本は後進国だという印象を与えてしまうと思います。 最近まで働いていた近くの大学病院の若い先生がスウエーデンのことを興味を持って聞いてくれたのはとても嬉しいことでした。「留学したいけれど英語に自信がない。」という人が意外に多く、激励してきました。 2009年 11月 30日
ご無沙汰致しております。
早いもので11月も終わり。明日から師も走る12月。文字通りあっという間に新年がやってきそう。 とある事情で急に学会発表をする予定を入れたら、さらにもう一つ違う学会で講演とパネルデイスカッションへの参加を依頼されたため、昼夜準備に励んでおります。 大慌てでスライドを掻き集め、急遽新しいものも作成し、スウエーデン語は英語へ直す作業も。英語を話し始めると知らない間にスウエーデン語が混じってくる危険が高くおそろしい。しかし、何とかなると頭のどこかで思っている自分が実はさらに危険なのです。 母校の新聞の依頼原稿の締め切りも近づいていて、ストレスレベルはかなり高い日々です。ひとつひとつ早く片付けて、こちらでも少し話題を提供したいと思っております。 2009年 11月 15日
日曜日だというのに体にはまだまだ疲労感が残っている。
勤務時間は日本よりずっと少ないはずなのに不思議だ。依然として、「海外」という意識が働いていることも事実だ。しかし、勤務内容の重みも異なるような気がする。 泌尿器科病棟のベッド数は約30床。働き始めたころには少ないようにも感じたが、ここには、安定期「リハビリ中」や、「終末期」の患者さんが存在しない。患者さんは手術を目的として入院、入院は早くても手術前日の夜、あるいは当日朝である。 経尿道的手術の多くは当日あるいは翌日には尿道カテーテルを抜去する。日本では、同じような手術では最低数日は入院するため、カテーテルの抜去も遅い。(日本では一定期間以上入院しないと保険が出ないなどの妙なしきたりがあったり、、。)スウエーデンではとにかく早く退院させる。中には高齢の患者さん(スウエーデンではかなりの高齢でもたいてい一人で住んでいる)など、もう少し入院したいという人もいるが、「入院すればするほど感染症のリスクも高くなる」、「入院していると安静にしているためリハビリに良くない」など、おどしもかけて、退院させる。もともと入院している必要もないのだし、入院させれば一日あたり膨大な費用がかかるのである。カテーテルを抜去できなければ、そのまま退院させる。後に外来あるいは近くの診療所で抜去する。 かなり大きな手術の範疇に入る前立腺全摘術。こちらではその殆どがロボット手術だが、患者さんの多くは翌日退院する。尿道カテーテルは10日ほど留置し、外来で抜去する。泌尿器科における最も大きな手術が膀胱全摘(腸管吻合を含めた)であるが、1週間ほどで市内のリハビリ病院へ転院させる。終末期の患者さんは、積極的治療を断念した時点で早期に退院させて在宅医療の手配をするか、終末期専門の病院へ転院させる。 そんな訳で、病棟は手のかかる周術期の患者さんで溢れている。これに、緊急入院を要する、尿路感染による敗血症や、腎後性腎不全、血尿、結石発作の患者さんなどを引き受けなければならない。先週は、膀胱全摘が4件、前立腺全摘が10件以上、それに勿論もろもろの経尿道的手術など40件以上も手術があった上、術後の合併症などのハプニングもあり、ベッドが足りなくなったため手術をキャンセルしなければならなくなった。 外来でも、もともと、患者さんあたりの外来受診数が日本に比べると格段に少ない(経過観察の間隔が長い)ため、より正しい判断と緻密な計画が必要となる。私は常に、「気になる患者さんリスト」を作っており、勤務時間外にフォローアップをするようにしている。必要に応じて電話で問診をしたり、エキストラの検査や処方もする。日本の感覚でいくと、そうしないと不安になるからである。 このような理由で、毎日、単位時間あたりのストレスは日本以上だと感じている。 週末はただただ疲労回復に努めているのだが、このところ日々に暗く、今日も小雨交じりのお天気で、なかなか明るい気持ちになるのは難しいものだ。今週は週の後半、ストックホルム郊外のリゾート地で、泊りがけのコースに参加する予定なので、少しリラックスできることを期待している。 辛いときの私のおまじない。 「私は元気」「私は元気」「私は元気」 「私は幸せ」「私は幸せ」「私は幸せ」 と何回も心の中でつぶやく。というか、叫んでみる。 これって結構効果的なのですよ。 さあ、明日も頑張ろう! 2009年 11月 14日
今日は少し柔らかい話題。
今年のH&Mの有名デザイナーとのコラボは、Jimmy Choo。本日発売開始。 Jimmy Choo for H&M 日本では当然並ばないと買えないようですが、ストックホルムにはそこらじゅうに店舗があるし、、と簡単に考えていましたが、、、。 各店舗では、特設コーナーが設けられ、入り口には警備のお兄さんたちが。そして、一応、列が出来ているではないですか!ここは日本!?10時開店から2時間ほどは10分毎に顧客の入れ替えをしたようです。 ![]() 全体として私の好みではないのですが、中にはちょっとそそられる靴やベルトなどがありました。でも、靴はヒールが細くてかつ高い。こんなの履いたら外反母趾になってしまいそうでおそろしい。洋服は、スタイル抜群でないと厳しいかも。 このベルト、いい感じ。 ![]() 全く私らしくないけれど、こんなハードなアームバンドもたまにはいいかも。 ![]() この靴だったら安心だし可愛い! ![]() 2009年 11月 10日
スウエーデンで医師免許を取得する直前に、医事法のコースを受けましたが、その際に「Lex Maria」について学びました。先週金曜日のカンファレンスで、これについて再び講義がありました。
これは医療現場で、事故、過失により患者さんが不易を被った場合、医療提供者がSOS(Socialstyrelsen, 保健福祉庁)へ届け出る義務がある法律のことです。 これは、Författning som reglerar skyldighet för vårdgivare att anmäla till Socialstyrelsen om en patient i samband med hälso- och sjukvård 1. drabbats av allvarlig skada eller sjukdom 2. utsatts för risk att drabbas av allvarlig skada eller sjukdom 3. som inte är en oundviklig konsekvens av patientens tillstånd SOSが2003年から2004年にかけての28病院におけるカルテおよそ2000件をレトロスペクテイブに調査したところ、8.3%の患者さんが入院中に医療過誤を被っており、このうち、9%が不可逆的な障害、そして3%が死に至っていたことがわかった。医療過誤の被害者は65歳以上に多く、男女差はなかった。一件の医療過誤により、平均6日ほど在院期間の延長を認めた。 スウエーデンにおいては、1年に10万件の医療過誤が発生、つまりそのため60万日の本来不必要な在院日数を要し、致死的な医療過誤は9000件という計算になる。 Lex Mariaの歴史的背景は次のようである。 1936年Maria病院において、麻酔薬と消毒薬を取り違えて4人の患者さんが亡くなったことを教訓としてできた法律で、医療過誤の報告の義務を定めたもの。 ![]() ヒポクラテスの言葉にもあるように、「過失から学ぶ」ことが重要である。医療過誤の客観的検討、患者さんおよび家族へ何が起こったのかを明らかにすること、そして、その経験を広めることにより、より多くの医療従事者が医療過誤のリスクを減らす努力ができることを目的とするものである。 スウエーデンの医療現場では、医療行為に伴うリスクに関するインフォームド・コンセントがまだまだ甘いと感じる。それだけ、患者さんがおっとりしているということなのだが、日本では、例えば、「造影剤の注射」、「輸血」などから、ちょっとした検査まで、説明書や同意書を作成するようになってきているが、スウエーデンではそのようなものは存在しない。大手術にしても、患者さんが基本的に単独で来院することが多く、その場合は特に家族へ説明するということもない。手術のための入院も当日入院が大多数であり、早くても1日前入院のため、手術前に医師と顔をあわせることがなくてもおかしくない。手術当日、患者さんの家族が来院するということもない。家族とのコンタクトがある場合、殊に大手術の場合は、手術終了後に電話連絡をする程度。患者さんが亡くなるときも、「死に目に会う」ということが重要ではないスウエーデンでは、家族は翌日来院すればまだ良い方だ。 講義の話題から反れてしまったが、Lex Mariaに従って報告される医療過誤(あるいは未遂)の件数は年々増えてはいるもののまだまだ少ない。患者さんからSOS(やHSAN)などへ医療過誤、あるいはその疑いがあるとして訴える件数も増えている。私自身、既にその経験者なのだが、その話はまた改めて。 医療従事者は医師を含めて神ではない。間違いは必ず起きる。その間違いをいかに少なくするか、未然に防ぐか、あるいは、起こってしまった場合にそれによる患者さんへの影響を最小限に抑えるか、そして、その経験を未来へ生かすか。これらのことは医療現場で働く身であれば常に考えることであるが、度が過ぎると萎縮してしまって医療現場で働けないという場合もある。外科医である私は、自分のメスが患者さんの体へ入ることには慣れてはいるものの、深く考えると恐怖感を覚えることがたまにある。優秀な外科医はときに勇敢にならなければならない。当り前の手術をするのは普通の外科医。優秀な外科医になるためには神経も太くなければならず、このあたりは非常に悩ましい。 なんだかとりとめのないつぶやきになってしまいました、、。
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