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2009年 10月 06日
今週は10人も医者がいないのに、連日一杯のプログラムです。
今日は小さな手術の他に、ロボット前立腺全摘術が5件、膀胱全摘が1件。 私は昨日と連日で膀胱全摘出術組でした。昨日も半分は術者でしたが、今日も一緒に手術に入ったöverläkareが、手術がまだ終わらないのに、「あとは一人でやっておいて!」と言って去ってゆきました。 膀胱全摘は泌尿器科の手術の中では大きな手術ですが、古典的なBricker尿路変向(回腸導管)であれば、カロリンスカでは2時間くらいで手術が終了します。膀胱全摘のセンターとなっているため、ストックホルム近郊の膀胱全摘患者さんが全て集まってきます。自排尿型新膀胱の場合も3-4時間もあれば十分。最初はこのスピードが大変でしたが、今ではそれにも慣れました。ときどき数リットルの大出血をすることもありますが、好きな手術です。 嫌いな手術といえば、尿道狭窄に対する内尿道切開や膀胱結石など。侮るととんでもない窮地に陥ることがあります。先日、尿道から大出血している患者さんの緊急手術が回ってきて、大変な思いをしました。その患者さんは尿道狭窄があって、尿路感染症のために救急外来を受診したのですが、残尿があったため救急外来で尿道カテーテルを挿入しようとしましたが挿入できず。それ以降尿道から大出血。小児用バファリンに相当する抗凝固剤を内服していたのも災いしました。 膀胱タンポナーデという触れ込みでの手術だったのですが、下腹部は張っておらず、私は尿道からだろうと予想して膀胱鏡を始めました。立派な偽尿道があってそこからの出血。海綿体なので止血しようがないんですよね。幸い膀胱まで膀胱鏡で到達しましたが、カテーテルを入れなければならない。こんなときには膀胱鏡へ尿管カテーテルを挿入し、それをガイドに先に穴の開いたカテーテルを入れるようにしているのですが、何故かカロリンスカのオペ室には先に穴のあいたカテーテルがないため、通常の横に穴の開いたカテーテルを無理矢理使うことに。 緊急手術につく看護師さんは泌尿器科専門ではないため、各種の小道具を使う泌尿器科の手術をするのは厄介で、さらに言語のハンデもこんな場合にはさらに苦しくなります。とにかく大出血しているため一秒一分を争うので、私の声もいつもよりは高くなります。開腹手術で大出血している方が手が出血点に届くためまだ気分的に楽です。カテーテルが入ったのは良いけれど、洗浄できない。患者さんには大きな膀胱憩室があり、その中でカテーテルのカフが入ってしまったと判断し、位置を調節しようやくカテーテルが正しい位置に挿入されたという確信を得ることができました。 手術記事を口述するためにオペ室を出たのも束の間、看護師さんに呼び戻される。患者さんが覚醒したらまた大出血していると。走って患者さんを見にいくと、確かにものすごい出血。それでもどうしようもないので、カテーテルを牽引して出血による膀胱タンポナーデにならないようにし、2時間おきの膀胱洗浄を指示し、当面は輸血で経過観察することに。結局、患者さんが完全に覚醒してしばらくしたら出血は収まりましたが、こんな水物の手術は実はとても嫌いなのです(好きな人なんていないんじゃないかな。)。その日は家に帰ったら何もする気力も体力も残っていませんでした。 外科医はオペができてこそ外科医なのですが、オペをするということは、知らず知らずの間にストレスがかかります。それでも、人間の慣れというのはすごいもので、そんなストレスも少しずつ減ってゆくもの。自己防衛のためにはそれもある程度仕方がないのですが、であるからこそ、いつも新鮮な気持ちでオペに向かうようにしようと日々思っています。その昔、初めて患者さんの皮膚にメスを入れたとき、どんなに緊張したことか、、。
by drpion
| 2009-10-06 21:24
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