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2008年 01月 14日
どの国の医療が優れているのか、、。
私も日本とスウエーデンの医療を経験して、どうしても日瑞比較をついしてしまう毎日。 スウエーデンの医療現場に入る前は、日本の医療が批判の嵐にさらされていることもあって、私の中でも日本の医療の悪い面がどうしても強調されがちだった。日本の、殊に大病院で働いている医者の多くは医療に生活を捧げているにも関わらず、これほど非難されるなんて、日本の医療のどこが悪いのだろうか、と考えていた。それに比べて、日本では神聖視されている感もあるスウエーデンの社会保障や医療。 数日前のSVTのニュース。 スウエーデンの医療の質が1997-1998年の調査時の世界5位から9位へ転落(2002-2003年)したという話題。 Svensk sjukvård halkar efter Svensk sjukvård har blivit sämre internationellt. Antalet dödsfall som hade kunnat undvikas med bättre sjukvård är högre än i flera andra jämförbara länder. 医療の質の評価にもいろいろあるようだが、ここでは簡単に言うと、人口あたりの「救えるはずなのに死亡した患者数」で比較をしている。 Health Affairs, 27, no. 1 (2008): 58-71 Measuring The Health Of Nations: Updating An Earlier Analysis Ellen Nolte and C. Martin McKee We compared trends in deaths considered amenable to health care before age seventy-five between 1997–98 and 2002–03 in the United States and in eighteen other industrialized countries. Such deaths account, on average, for 23 percent of total mortality under age seventy-five among males and 32 percent among females. The decline in amenable mortality in all countries averaged 16 percent over this period. The United States was an outlier, with a decline of only 4 percent. If the United States could reduce amenable mortality to the average rate achieved in the three top-performing countries, there would have been 101,000 fewer deaths per year by the end of the study period. 医療へのアクセスが最悪なアメリカが最下位となっているのは頷ける。 日本は連続2位である。因みに1位はフランス。 スウエーデンの医療現場にいて、スウエーデンの9位への転落?あるいは、日本よりも劣っていると感じた経験については、後日に譲るとして、、、。 私を育ててくれた日本の医療がこうやって評価されるのはとても嬉しい。嬉しいとともに、これだけ評価されている医療、およびそれを支え疲弊し切っている医療従事者を更にぼろぼろにするような風潮を悲しく思う。医療ミスを認容するものではないが、人間は神ではない。ときにミスを犯すものである。精一杯出来る限りのことをしたとしても。 日本人が現在の日本の医療に過度の高望みをし続ければ、日本の医療はきっと崩壊してしまう。その前兆があちこちで既に見られているではないか。善意による医療行為のもとで、運悪く救われなかった場合、スウエーデン人は日本人より遥かに寛容である。スウエーデンの医者はこの点で恵まれていると思うし、小国スウエーデンの医療は育てられているのではないか。
by drpion
| 2008-01-14 21:07
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