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2008年 11月 30日
早いもので、11月も最後の日となりました。
先週はノロウイルス感染が発生したため、病棟閉鎖に近い状態で、比較的ゆっくりと事務的な仕事をすることができた。それでも、毎日の暗さにはかなり滅入ってしまっている。真っ暗な中出勤し、暗くなってから帰宅。週末も太陽がなかなか出ない、、、。北欧の生活は、寒さよりも暗さが厳しい。 外科医であるからには、仕事の多くの部分を手術に費やす。手術はうまくいって当たり前と考えられるかもしれないが、医者も人間、手術における合併症が起こる危険性は絶対にゼロにはならない。極端な例では、手術をしない方が良かったという場合もありえる。 医者がかなりの自己防衛を余儀なくされている日本では、考えられる限りの合併症について、手術前に説明をし、説明内容を文書にした上、患者さんおよびその家族に文書に署名をしてもらうのが、今や常識である。スウエーデンではその点はまだかなり大らかで、合併症が起こってからの説明ということもしぱしば。 日本では勿論のこと、スウエーデンでもいくつかの合併症を経験してきたが、その度に、メスを握ることの責任とプレッシャーということについて考える。術者でない場合はいくらでも術者を慰めることはできるが、術者の気持ちは術者にしかわからないもの。そして、その手術の名手と言われる医者が執刀しても合併症が起こるときは起こる。 外科医を続けてゆくためには、そんな場合の気持ちのコントロールも大事。何か問題点はなかったのか、振り返って検討してみることは勿論のことだが、問題点がない場合も多い。問題を見つけることができなくても、それでも、患者さんに苦痛を味わせることに対して心が痛む。それに耐え切れずにメスを置く医者もいる、、、。 常に肝に銘じておかなればならないことは、合併症が起こった場合、以前の治療に問題点があろうとなかろうと、その情報を、その後の戦略を立てることには用いても、その場は悩んだりしないこと。悩んでも状況打開には役に立たない。今できるベストの対応は何かを考えることが重要。悩んだり反省するのはその後。 医療現場でスウエーデン人はかなりクール。日本だとチームの中で感情的になったりすることも多かったけれど。でも、スウエーデン人だって内面では悩んでいるはず。かなり仲良くなると、ときどき、ぽろっと本心が出たりすることも。私もクールに振舞っているつもりなのだけれど、苦しいときはぽろっと言いたくなる。 昔、一回だが、真剣に医者をやめようと思ったことがあった。 あまりにも患者さんに、末期の癌患者さんに家族の如く肩入れしすぎて、好意を仇で返されたことがあった。その後、医者を続けることを決心したときに、残念だが、プロとしては気持ちをセーブしなければならないことを学んだ。それでも、未だに気持ちが入ってしまう癖は抜けないが。いつかここでも書いたこともあったが、癌患者さんやその家族と「話す時間」というものだけは、惜しまないようにしている。それが私の「気持ち」。限りない自己満足の世界ではあるが。 傷ついたり、癒されたりしながら、いつまで外科医が続けられるのか考えることがある、、。
by drpion
| 2008-11-30 22:16
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