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2010年 07月 28日
このところ体調もすぐれず、いろいろとあって精神的にも落ち込んでおり、すっかりご無沙汰しております。
スウェーデンは夏至祭の前後から夏休みモード一色。 我々の科も、常に片手を少し越えるくらいの人数で診療を行っています。 これはお隣、整形外科病棟の張り紙。 6月23日から8月8日まで閉鎖というアナウンス。 泌尿器科病棟も半分閉鎖して、定床18床プラスアルファ。それでも毎週2-3件の膀胱全摘や6-7件の前立腺全摘に小手術を複数行うため、患者さんの入院期間をできる限り短縮しなければなりません。 しかし、こんなときに限って、厄介な患者さんが緊急入院してきたりします。 各診療科、ベッドが足りないため、手術以外の緊急患者さんの押し付け合いになったりも。 そんな中に、「夫が有力者」という患者さんがいました。かなり社会主義的なスウェーデンでも、たまに、「社会的地位」やら「経済力」を振りかざす人がいます。今回の場合も、「夫が有力者」だから、エキストラの対応を要求してきたもの。 「Vi skiter i det!!!」(Forget it !!!) 状況説明を聞いた教授の言葉。 とにかく、我が科的問題のないことを確認し、退院させようという合意に至りました。 今まで私が経験してきた限り、スウェーデンでは医療従事者が「社会的地位」や「経済力」に影響されることはありません。勿論、特別な例外もあると思います。例えば、2003年に殺害された当時外務大臣のAnna Lindhがカロリンスカ大学病院の手術室に運び込まれた際、常識を超える量の輸血がなされたようです。これは通常は行われないのではないかと想像できます。そんな例外以外は、貴賎貧富の別なく、病院は同じように対応しています。 日本では状況はかなり異なると思われます。 私は複数の大学病院や大病院で勤務経験がありますが、まず、病院にはVIP病棟というものが存在します。勿論患者さんは差額ベッド料金を払うのですが、医療従事者の対応が普通病棟と同じかと問われれば、それは疑問です。普段手術をしない教授が執刀したり(これは必ずしも患者さんにとって吉とは限りません。むしろ逆のことも。)、医者が直接交渉しなければすぐにはできない検査をすぐに手配するとか。「教授のベカンテ」という古い言葉があります。「教授の関係者、教授の大事な患者さん」といtった意味で使われてきましたが、若手は「教授のベカンテ」のお世話に奔走することも多かったのではないでしょうか。 また日本では医師への「謝礼」が存在しますが、スウェーデンではありません。感謝の手紙やチョコレート、ワインなどのプレゼントを頂くことはたまにありますが、現金の謝礼というのはありえません。同僚に、現金での謝礼の話をしたら、非常に驚いていました。私などでも、数千円から数十万円までの謝礼を頂いた経験があります。私が研修医だった頃、月給が2万5千円でしたから、謝礼で家賃や生活費を賄うような状況でした。教授クラスであれば、上は8桁の謝礼まで耳にしたことがあります。余談ですが、博士号取得に際しても各方面に謝礼が必要でしたし、それが暗黙の了解でもありました。 何だか、ひさびさの復帰にも関わらず、重い話題になってしまいました。 生々しい話でご気分を害した方がいらっしゃったらごめんなさい。 しかし、教授の、 「Vi skiter i det!!!」 という発言に、何だか脳天ショックを受けてしまった私。 気を取り直して、体調も立て直して、頑張りたいと思います。 なお、謝礼を受け取る日本の医師を少し弁護するとすれば、大学病院に勤務するような医師の給与は決して高くなく、むしろ、勤務時間を鑑みれば低すぎるくらいなのです。教授への高額謝礼は別としても、通常の医師は謝礼収入を含めても年収1000万円を越える人はあまりいないのではないかと思います。 昨今の円高で、円換算すると涙が出そうなほど収入の低いスウェーデンの医師生活です。でも、人生で大事なのはお金ではありません。だからこそ、ここで頑張れるのだと思います。しかし、ボーナスシーズンには日本が恋しくなりますねー。スウェーデンではボーナスなんてないので。
by drpion
| 2010-07-28 18:29
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